エヌ・ティ・ティ健康保険組合

差額負担の医療(保険外併用の医療)を受けるとき

保険適用外の療養を受けても、一定の条件を満たしていれば、保険が適用される療養については「保険外併用療養費」として給付を受けることができます。

POINT
  • 健康保険では、保険が適用されない療養を受けると、保険が適用される部分も含めて、医療費の全額が自己負担となります。しかし、一定の条件を満たした「評価療養」、「患者申出療養」または「選定療養」であれば、保険が適用される部分は一般の保険診療と同様に扱われます。
  • 「評価療養」は医学的な価値が定まっていない新しい治療法や新薬など、「選定療養」は特別な療養環境など患者自ら希望して選ぶ療養のことです。
給付名称
(付加給付名称)
「保険外併用療養費」
(一部負担還元金)
「家族療養費」
(家族療養費付加金)
対象者 被保険者 被扶養者
給付内容 法定給付 保険外の療養を併用したとき、健康保険のワク内は1ヵ月1件の医療費自己負担が80,100円(上位所得者は150,000円)を超えたとき、その額に〔医療費-267,000円(上位所得者は500,000円)〕の1%を加算した額を超えた額(世帯合算等の負担軽減措置もある)
※上位所得者…診療月の標準報酬月額が53万円以上の人
付加給付 健康保険のワク内は自己負担額(1ヵ月、1件ごと。高額療養費は除く)から25,000円を控除した額(100円未満切り捨て)
算出額が500円未満の場合は不支給
手続き 医療機関の窓口で保険証を提示

保険外併用療養費

一定の条件を満たせば、「混合診療」が認められます

健康保険では、保険が適用されない療養を受けると、保険が適用される部分も含めて、医療費の全額が自己負担となります。しかし、医療技術の進歩や患者のニーズの多様化に対応するために、保険が適用されない療養を受けても、一定の条件を満たした「評価療養」、「患者申出療養」または「選定療養」であれば、保険が適用される部分については保険給付が行われます。
このように、いわゆる「混合診療」を例外的に認める給付が保険外併用療養費です。

評価療養

医学的な価値が決まっていない新しい治療法や新薬など、将来的に保険導入をするか評価される療養です。

評価療養の例

「先進医療」

「先進医療」の制度では、保険診療と保険外診療の併用が特別に認められています。安全性や有効性など一定の条件を満たすと認められた「先進医療」を受ける場合、先進医療の技術にかかる費用は全額自己負担となりますが、診察など一般の治療と共通する部分の費用は健康保険の給付対象となるため、自己負担が軽減されます。
なお、先進医療の医療技術は、厚生労働省が定めた基準を満たした医療機関でのみ受けることができます。

患者申出療養

患者からの申し出を起点として、国内未承認医薬品等の使用や国内承認済みの医薬品等の適応外使用等を、迅速に保険外併用療養として使用できる療養

申出から実施までの流れ

患者がかかりつけ医等と相談のうえ、保険外の最先端医療技術と保険診療の併用を希望した場合、臨床研究中核病院または特定機能病院に申出を行います。患者は治療の有効性や安全性等の説明を受けたうえで、臨床研究中核病院等が作成した意見書を添えて、国に患者申出療養の申請を行います。
国による審査期間は、先進医療では6ヵ月程度かかっていましたが、患者申出療養では原則6週間(前例がある医療については原則2週間)に短縮されます。
審査が認められると、申出を受けた臨床研究中核病院等で治療が行われますが、審査結果によっては、患者の身近な医療機関での実施が可能となる場合もあります。

選定療養

特別な療養環境など患者が自ら希望して選ぶ療養で、保険導入を前提としない療養です。

選定療養の例

「差額ベッドへの入院」
入院の際、個室など普通より条件の良い病室を希望する場合、保険の適用外となりますが、入院の室料にあたる差額分を自己負担すれば、あとは保険が適用されます。一般によく「差額ベッド」といわれるものです。

「歯の治療(保険外併用療養費が認められる場合)」
歯の治療にあたり、保険が認められていない方法や材料で治療をすると自費診療となり、治療費が全額自己負担となります。ただし、前歯部に金合金などの材料を使用する場合や金属床総義歯などは、保険外併用療養費の対象となり、一部保険診療が適用されます。治療にあたっては、治療方法や費用などをよく確認するようにしましょう。

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